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探偵コラム

筆跡鑑定はいつからはじまった?詳しくご紹介

鑑定の一つに筆跡鑑定(ひっせきかんてい)があります。筆跡鑑定は筆跡を分析して、筆者が同一人であるかどうかを識別するものです。筆跡鑑定を行う人を「筆跡鑑定人(ひっせきかんていにん)」と呼んでいます。

はじまり

筆跡研究の起源は、古代ローマ時代まで遡ります。

当時のローマ帝国は、共和制の崩壊で公文書の偽造や権利書、遺言書などの偽造が横行してい

たと伝えられています。

そこで初代ローマ皇帝オクタウィアヌスが、今でいう「筆跡鑑定」の研究をはじめた、と示されています。

日本でのはじまり

日本の筆跡鑑定の祖は、古筆了佐(こひつりょうさ)といわれています。

古筆了佐は、本名を平澤範佐といいます。

安土桃山時代の公家、近衛前久(このえさきひさ)より鑑定技術を伝授され、

関白・豊臣秀次の命により「古筆」に改姓し、古筆の鑑定を専業としました。

この時代は、手鑑や茶会の床の掛物として「古筆切の鑑賞」が盛行していました。

そして、その古筆の真贋を鑑定するため、古筆鑑定家が生まれました。

「古筆家」は江戸時代を通じ大変栄え、昭和の初めまで鑑定に携わっています。

明治時代の筆跡鑑定

明治時代に入ると、裁判所で筆跡鑑定が行われるようになりました。

ここでの鑑定も、名家である古筆家が中心的に携わっています。

この時代になると、作家物から契約書、遺言書などの一般の筆跡まで、筆跡鑑定が広く行われるようになりました。

明治二十三年頃、東大の坪井博士によって日本史を研究する方法として、「古文書学」が日本に導入されます。

この「古文書学」において、筆跡・筆致の鑑定は古文書の真贋や作成年代を判定する際の重要

な要素となります。

これまでは、古筆家が筆跡鑑定の中心的な存在でありましたが、「古文書学」の歴史研究や裁判で採用される筆跡鑑定においては、専門分野での研究者が行うことが多くなりました。

近代の筆跡鑑定

大正後期、警視庁で組織的に筆跡鑑定の研究が行われるようになります。

そして、当時、警視庁刑事部鑑識課に勤めていた金沢重威によって、ドイツ留学を経て、ドイツ式の筆跡鑑定が輸入されました。

金沢重威は、現在の筆跡鑑定研究の草分けとされています。

昭和10年頃になると、欧米の筆跡鑑定とは異なる、漢字の鑑定方法を開拓しました。

昭和23年には、犯罪捜査に関する科学鑑定・検査および研究を行う目的とした機関、「科学警察研究所」の前身、「科捜研科学捜査研究所」が設置され、その中に文書鑑定係が誕生しました。

その後、時代は大戦後の民主主義混乱期をむかえ、脅迫文書、捏造文書、偽造契約書、偽造遺

言書などの文書事件が多発しました。

その影響で筆跡鑑定の研究は、さらに拍車が掛かります。

そして、研究は高度で公平な科学的解析法を目指し、「法科学鑑定」へと躍進していきました。

現在の科学警察研究所でも、これらの研究は受け継がれ、より高度に進化を続けてい

ます。

また、警察関係の研究者は、信頼度が高く、筆跡鑑定法の種類も多数あり、筆跡鑑定の世界で

は一目を置かれる存在です。

「法科学」としての筆跡鑑定

「法科学」の筆跡鑑定とは、主には法廷文書の分析です。

日本では、「科学警察研究所」と「科学捜査研究所」が中心になり情報科学の分野として研究されており、科学的筆跡鑑定法のことを指します。

法廷文書の筆跡鑑定には、明瞭な解析手法があります。

・視覚的解析方法 蓄積されたデータとの検証による科学解析法。

・数値的解析方法 文字の測定、変量解析等による工学的または、数学的解析法。

・科学的解析方法 紙、インク、フォント等の成分分析、または工学分析を行う解析法。

これらは、科学研究者による専門的な筆跡鑑定です。

「筆跡学」としての筆跡鑑定

筆跡学(筆跡心理学)とは、ヨーロッパ系ラテン文字の「書相学」を基に発展したものとされで、世界的には「グラフォロジー」と呼ばれ、筆跡から書き手の性格を分析します。

ヨーロッパでは非常に発展していて、パリにはグラフォロジーの総本山とも呼ばれる「フランス・グラフォロジー協会」があります。

フランス・ドイツ・イタリアなどは特に盛んで、国際的な学会なども頻繁に開かれています。

また、フランスでは「グラフォルグ(筆跡診断士)」という資格があり、第1種はフランス・グラフォロジー協会の認定ですが、第2種では国家資格になっています。

しかし、現在の米国司法では筆跡学(筆跡心理学)は、被疑者の心理的な証明は出来ても、筆者識別の科学的証明能力は無いとしており、「疑似科学」とも呼ばれています。

「筆跡心理学」は裁判資料としては、採用していない国が多く、日本の裁判でも、一般的に証拠能力としては認められていません。

未来の筆跡鑑定

現在の主な筆跡鑑定は、「手書き文字」による筆者の識別です。

わかりやすく言うと、文字や文章を書いた人物の特定です。

筆跡鑑定は数値解析

現代の筆跡鑑定の技法は、今やコンピューター・サイエンスの世界になっています。

鑑定の80%以上が、コンピュータによる数値解析です。

鑑定対象を数値データとして抽出して、そのデータを総合的に解析します。

そして、その解析データをもとに鑑定人が評価・判定をして、鑑定書が作成されます。

裁判所で使用される鑑定書も、数値解析によるものでしか採用されなくなりました。

このように、筆跡鑑定はコンピュータを使うことで、高度な数値処理を可能にし、進化

を続けています。

AIを用いた筆跡鑑定

ディープラーニングを用いた個人の「癖」から、解析を行う研究です。

ディープラーニングとは深層学習とも呼ばれ、人間のようにコンピュータに学習をさせる手法のひとつです。

ディープラーニングは人工知能(AI)の発展を支える技術であり、AIは様々な分野での実用化が進んでいます。

ディープラーニングは、人間の神経細胞の仕組み(ニューラルネットワーク)を基にした考え方の技術です。

ニューラルネットワークは、情報データに含まれる特徴を段階的に深く、学習することができます。

入力した大量の画像、テキスト、音声データなどを、コンピュータはデータに含まれる特徴を

自動的に学習していきます。

ディープラーニングによって、そのコンピュータは極めて高い精度を誇り、人間を超える認識精度をも実現しています。

AIは、様々な情報を学習できる、人の知能のようなプログラムです。

現代の筆跡鑑定は、理数的な発想力や創意工夫によって、発展を続けています。

まとめ

このように、筆跡鑑定業界でも、コンピュータテクノロジーの方向へと急速に発展しています。

コンピュータテクノロジーを導入することで、正確性の向上や大幅な作業効率の実現が可能となります。

筆跡鑑定は、「料金が高い」などというのは、一昔前のことです。

こうした業務効率化が行われている業者は、大幅な時間短縮で多くの方に筆跡鑑定を利用いただくことが可能になります。

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